ルック・オブ・サイレンス
June 30, 2015
ルック・オブ・サイレンス
なんか、どこかで聞いたことのあるストーリーだなぁなんて思って観る前に少し調べてみたら『アクト・オブ・キリング』の姉妹編だった。
「9月30日事件」などというものがあったことすら知らなかった。ルワンダ虐殺みたいなものなのかなぁなんてぼんやり想いをめぐらしながら本編突入。
いやいや、怖いぞこれは。
インドネシアなんでしょ。東南アジアだよね。1965年?近代ではあるけれども国によっては、まだまだ前時代だったんだろうなぁ。なんて、昔の外国の話だと思おうとしても下っ腹がザワつく。
インタビューに応じて、身振り手振りを交えながら昔の想ひ出語りに興じるおじいちゃん達。「こうやって後ろからペニスを切り裂いた」、「うんうん。そうそう。」って、それって拷問の虐殺の人殺しの話だから。おじいちゃん達の無邪気さが怖い。「首の後ろ側をね、こうやって斬るんだよ。」、「前を斬るとさ血がドバーっと、ドバーっと吹き出ちゃうからね。」とか得意げに指南。子どもが虫を弄んだあげく殺す程度の意識なんだと思われる。
虐殺についての当事者の意識はたぶん当時の認識をそのまま21世紀にスライドしたもので、罪の意識は希薄。
学校で共産主義者は「悪」としてこの出来事を教えるシーンも印象深かった。