April 19, 2007
「バベル」試写会

悲しい物語。だが、良かった。21世紀の現代を切り取って2時間に集約したかのような作品である。
決して出会うことのない人々の複数のショートストーリーを紡いでひとつの物語を構築している。海を越え環境も異なる無関係なストーリーが、バタフライ効果の起点となる一発の銃弾により、相互作用し、繋がる。観客は神の視点に立って物語の展開を見守ることになる。実際、オレ達が運命と言っているものは、こういうことのかもしれないと思った。
ブラッド・ピットが、べそをかくシーンは、非日常な状態に置かれていてもそこ以外の世界では、いつもと変わらない日常が連綿と営まれていることを表現する効果的なシーンになっていた。
東京を舞台としたストーリーは、そこに住んでいる者としては客観的に観ることが難しい。外人がフィルムに収めた東京は相変らず野暮ったい。この絵はオレの感覚では70年代だ。なんで、あんな風に映っちゃうのかなぁ。
話題の菊池凛子は、もちろん良かったんだが、あれじゃぁ単なる色情狂じゃん。
オレはナショナリストではないが、なんだが日本人が軽く扱われたような印象をもった。
聾唖であることによるコミュニケーション・ブレイク・ダウンの鬱屈に青春期特有のモヤモヤが加わって、適当な発散方法がわからず持て余した情念を性に向けるというのは古典的すぎる表現だと思うなぁ。古臭い表現になってしまってはいたが、日本の嫌な病み方は伝えられていると思った。
チエコが友達と行ったクラブでEW&Fの“September”が掛かっていたがコレは演出の時代錯誤じゃなくて、実際に今こういうのが流行でヒップなの?真偽の程を是非知りたい。立場と世代ということでは、チエコというより、断然ヤスジローに近いから判らんなァ。
ヤスジローといえば、凄いマンションに住んでるなぁ。ハンティングが趣味だとしても、リビングに剥製を飾るかね?この辺りの演出が単にイモなのではなく意図したものだとしたら悪意を感じるんだが…。でも、この悪意にしたって、「エコノミックアニマル(死語)」とか、「成金趣味」といった揶揄でしかなく、古くてダサイ。
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1. 「バベル」レビュー [ 映画レビュー トラックバックセンター ] April 27, 2007 04:13
映画「バベル」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子、アドリアナ・バラッザ、エル・ファニング、二階堂智、他 *監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニ....
